私には30歳の息子と23歳の娘がいます。
息子と娘の父親は違います。
結婚して息子が生まれ、息子が4歳の時に離婚し、しばらく母子家庭でした。次に出会った人とは結婚ではなく、内縁関係で娘が生まれました。内縁の夫にも別れた奥さんとの間に息子が2人いて、その息子たちと交流が続いていました。
私の息子はだいぶ複雑な家庭環境で育ちました。最初の夫から私はDV(ドメスティック バイオレンス)を受けていました。内縁の夫は息子のしつけにとても厳しく、叱り方が時には私から見て過剰な時もあり、私はとても辛かったです。それに対して何も言わず、ずっと耐えてきた息子のことを思うと、いつも胸がギュっと詰まりました。
息子が大学生になったとき、友人とルームシェアして暮らすと家を出ました。自分でバイトをして生活費を稼ぎ、私たちから一切助けを得ずに暮らしていました。大学2年になる時に、突然私たちのところへ来て、大学辞めてきたと。これからバンドやって生きたいと言いました。そして5年前には何のつてもなく、一人でカナダへ行き、今もカナダで暮らしています。めったに彼から連絡がくることはありませんでした。しかしその息子が去年の10月、私にメールをくれました。その内容はこうです。
「昨日教会に誘ってくれたクリスチャンの親友が凄く胸に響く言葉を語ってくれて、神様が自分にとってどういう存在なのかすごく分かった気がする。実の父親のことは知らないかもしれないけれど、神様が君にとっての本当の父親だよって言ってくれて。それを聞いた瞬間に涙が止まらなくなっちゃった。すごく満たされたし、神様がちゃんと自分の事を愛してくれているのが分かった。複雑な家庭環境だったけど、こうやって導かれて神様に出会って、すごく感謝の気持ちが溢れ出てきた。だから産んで育ててくれたお母さんにもすごく感謝したい。ありがとう。」
2019年11月17日 息子洗礼受ける
それを読んだ途端、私は涙が溢れてきて、止まらなくなりました。私の心の奥底からどんどん何かが溶けて流れ出ていきました。その中で神様ありがとうございますと、何度も何度も言いました。
私は中学から短大までカトリックの学校で学んでいました。なので、聖書を全く知らないわけではなく、学生の頃は聖書の中の御言葉に感動したり、共感したり、祈ることも好きでした。大人になって主に祈ることから遠のいていましたが、去年の6月頃、久しぶりにクリスチャンの友人に再会。聖書を読むことを勧められ、少しずつですが聖書を読み始めていたところでしたので、息子が主の愛に満たされ、私にありがとうとメールをくれたことが本当に本当にありがたく、私の気持ちも救われました。
その1ヵ月後、去年の11月に息子は洗礼を受けクリスチャンになりました。自作のワーシップソングを教会で歌ったり、今では毎週教会でみんなの賛美歌をリードし、前でギターを弾いています。彼の歌っている姿を動画で見るたび、今まで彼が生きてきた中で今一番自分らしく輝いているなと感じて、心から感謝の気持ちで一杯です。
私も今日、洗礼を受けるにあたり新しい命をいただき、みこころのままに私を用いていただく事を切に祈り願い、日々を大切に生きていきたいと思っています。