統一協会から救われて 4

 ④キリスト教会との出会い  

 

福井県では雪深い所を早朝に逃げ出し、それでも両親は寝ずに私が逃げないか見張っていたので、すぐに後ろから追いかけてきて捕まりました。そして父の実家ま で連れて行かれました。そこで頭を冷やすようにと言われましたが、私はとにかく統一協会に行きたいと言い張っていました。

 

結局、両親によって東京の統一協会問題を扱っている牧師の所に連れて行かれました。東京では牧師の話を全く聞こうとしなかったので、牧師もあきれてしまい、 自分には扱いきれないと牧師が両親に言いました。母はその場で泣き崩れ、これからどうやってこのどうしようもない娘を助けたらいいのかと途方に暮れていま した。

 

東京に行ったついでに両親は統一協会の本部に私を連れて行き、そこで幹部の人たちに普通のキリスト教のように家から 通うことは出来ないのか、居所を親に教えない宗教はおかしいとまくしたてました。親が本部にまで突然来ましたから、私はこの後統一協会の中で厄介者扱いさ れ、両親の反対する家庭は罪が深いと言われました。結局、両親との約束で当分家から統一協会に通うようになりました。

 

しかし家にいても統一協会に日曜日しか行けない不満がたまり、両親とは口も聞かず、何か話すとけんか腰になりました。家で両親が統一協会を辞めるように説得しましたが、私はマインドコントロールされていて、馬耳東風を決め、家から飛び出して統一協会に帰ろうとしました。

 

その時両親が私の上着を引っ張って何とか出ていかないようにと押し問答がありました。両親は「地の果てまでもお前を捜しに行く」と捨てぜりふを残しました。 私はそれを振り切って上着が破けながらも出ていきました。両親の泣き声が後ろから聞こえて、後ろ髪引かれる思いがありました。しかし、これも地上天国のた め、神のためと思って、そういった感情を切り捨てていました。

 

統一協会に帰るとみんなが大歓迎してくれましたので、自分の したことは間違っていなかったと思いました。その後、街頭でアンケート活動をしていると親戚の人が偶然に通りすがり、そこで私が街頭アンケートをしている ことが、両親に伝わりました。それから数日後、街頭アンケートをしている私の所に両親が突然現れて、無理矢理に準備していたタクシーに私を乗せて、市内のあるキリスト教会に連れて行かれました。そこでは私が来るだろうと待ちかまえたかのように部屋が一室準備されていました。

 

教会の牧師はあまり関わりませんでしたが、神戸から毎日クリスチャンの方が来て、私に聖書と統一協会の教えの違いについて話しました。しかし、私はこんな無謀なやり方で私を棄教させようとすることに腹を立て、何とか逃げ出せないかと考えていました。

 

両親と3人で一日中部屋に閉じこもり、唯一部屋を出ることが出来たのが、トイレやお風呂に行く時でした。しかし私が逃げ出さないように常に母が付き添っていました。履いてきた靴もどこかにしまわれ、スリッパでしか行動出来ませんでした。

 

一週間ほどたった時でしたか、母が家に帰って父しかいないすきを狙って父に嘘をつき、スリッパのまま逃げ出しました。エレベーターで3階から1階に降りてド アを開けると、ドアの前にたくさんのダンボール箱や荷物で逃げ出せないようにしてありました。仕方なく2階まで戻り、階段で1階に降りて教会の前からタク シーに乗りました。

 

所持金は全くありませんでしたが、着払いで統一協会の方に支払ってもらいました。前と同じように私が 帰ってきたことを統一協会の方々は大喜びしてくれました。私が何度も両親の猛烈な反対によってあちこちに連れて行かれ、棄教させられそうになっているの で、統一協会の幹部の人たちは、私を和歌山の統一協会に一時避難して過ごしたらどうかと言って、すぐに和歌山に行かせられました。そして和歌山で働きなが ら統一協会の人々と生活を共にし、奉仕していました。

 

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